日本の消滅の危機に瀕した言語と方言3- 八重山語西表方言

2009年にユネスコが、世界の6000ほどの言語のうち2500ほどが消滅の危機に瀕している、と発表しました。

その中には日本国内の8言語が含まれていました。

2009年の発表以前から指定されていたアイヌ語に加えて、あらたに伊豆諸島の八丈語、鹿児島の奄美語、沖縄本島北部の国頭語、中南部の沖縄語、先島諸島の宮古語、八重山語、与那国語です。

このうち、八重山語のなかの西表島で話されるのが西表方言です。

 

八重山語西表方言

八重山語は石垣市と竹富町で話されるいくつかの方言の総称です。

しかし、同じ竹富町のなかでも方言が大きく異なっていて、実際にはお互いに通じないほどです。

 

例えば基本的な語彙の「あなた」ですが、竹富町の中でも西表方言(祖納地区・そないちく)ではウラ、竹富方言ではウォー、黒島方言ではッヴァ、波照間方言ではダーこんなにも違っています。

さらに語彙だけでなく、文法でも大きく異なっています。

となると八重山語っていったい何?となってしまいますね。

八重山語に限ったことではありませんが、なかなか難しい問題です。

石垣島=石垣市

そのほかの島じまは竹富町

町役場は西表島に移転する予定だが、2020年時点ではまだ石垣港の近くにある。

竹富町のほかの島へは一度石垣島を経由して行かなければならない。

 

その結果…

 

基礎語彙「あなた」の方言

西表島祖納地区      ウラ ura

竹富島(竹富方言辞典より)ウラ / ヲー ura / wo:

黒島           ッヴァ vva

波照間島         ダー da:

 

 

西表島へのアクセス

西表島は竹富町にある島の1つですが、どの島も石垣島の離島桟橋から船で行きます。西表島には石垣航路の港が二つ、東部の大原港と西部の上原港があります。ここで紹介する西表島の祖納地区へは西部の上原港から船会社の無料送迎バスで行きます。

 

 

西表島の天然記念物

上原港には国の特別天然記念物イリオモテヤマネコの看板があります。毎年交通事故で何匹ものイリオモテヤマネコが犠牲になっているので注意を呼び掛けています。右側に止まっているのが船会社安栄観光の送迎バスです。

上原港にある大きな看板

イリオモテヤマネコを説明する看板

 

西表島は貴重な生き物がたくさん。

天然記念物のセマルハコガメ。

腹側に蝶番があって、前後の隙間をふさぎ、身を守ります。

 

西表島の伝統行事

祖納地区は西表島のなかで最も古い伝統のある集落です。

毎年秋には国指定の重要無形文化財「節祭(しち)」が行われます。

旗頭を先頭に弥勒(ミルク)さまがやってきます。

節祭のときは祖納出身の人たちも戻って祭りを支えます。

弥勒さまの舞

 

節祭の最後は紅白に分かれて船の競走ハーリーです。

 

7月下旬には五穀豊穣を祝って豊年祭が行われます。

地区の掲示板に豊年祭のお知らせが。

 

豊年祭当日は朝から、夜に行われる綱引きの大綱を作ります。

地区のメインストリートを通行止めにして。

 

輪のところに化粧縄を付けたら西側の半分が完成。

東側の半分と組み合わせて一本にします。

 

 

二期作の西表島

二期作の西表島。苗床には色の違う何種類かの苗が。

 

特産のアカマヤーマイ(赤ネコ米)

2022年の前半は稲穂が風雨で倒れてしまい、不作でした。

つぎこそ豊作になりますように。

 

日本の消滅危機言語と方言 八重山語 西表方言を通して、

日本理解が深まることを願っています。