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今回の話題は、日本情報 日本語 八丈町と「危機言語・方言サミット」についてです。
2009年のユネスコの発表から数年たって、八丈町の教育長さんや教育委員の人たち雑談を交わす中で、八丈町で方言サミットをやってみようか、といった話題で盛り上がったことがありました。当初は飲んだ勢いで、といった雰囲気だったのですが、そうこうするうちにだんだんと話が具体的になり、じゃあ町制施行60周年の来年度ぜひ!ということに。陽気で腰の軽い教育長さんが予算の話なども具体的に進めていった結果、文化庁や国立国語研究所なども巻き込んで2014年12月、ついに八丈町主催「日本の危機言語・方言サミットin八丈島」の開催にこぎつけたのでした。八丈町の手探りの一からの準備でしたが、逆にはじめてということもあって、たいへんな盛り上がりでした。
これに刺激されたのが文化庁で、翌2015年度から文化庁主催の「危機言語・方言サミット」がスタートしたわけです。八丈町がすでに基本的なレールを敷いてくれたので、文化庁はとてもやりやすかったと思います。
じつは、雑談で方言サミットのことで盛り上がったのには理由がありました。2009年のユネスコの発表は、日本では朝日新聞の夕刊で最初に記事になりました。この時の1面の見出しが「八丈語?」だったのです。
ユネスコの本部はパリにありますが、この記事をパリから書いたのがたまたま文科系の記者で、もしアイヌや琉球だけで八丈が入っていなかったら記事にしなかった、とのちに語っています。真っ先に八丈町がやる気を起こしたのはこの「八丈語?」のおかげ、なのでした。
ということで、今年12月にはやっと<文化庁主催>での「危機言語・方言サミット」が八丈町で開催されます。
執筆:金田章宏(国立大学法人千葉大学 国際学術研究院 名誉教授)
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